rand()%THOUGHT;

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Apr 09, 2006 / 10:48 PM
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oazoでの展示が明日で終わり、夜以降撤収となる。
インストールからオープニング、展示中通して、思案多岐に及んだ。


新作を進めている。
つまるところ、観測点と観測結果の一致/不一致の問題である。
速度や座標に関しては、ニュートン力学系は絶対基準を設けることが出来ない。
なぜならば、絶対静止状態の基準を定義できないからである。
実験室を基準とすれば地球の自転、地球とすれば公転、
太陽系とすれば銀河系の螺旋、銀河系とすれば宇宙の膨張をカバーできない。
それが天動説/地動説が持つ興味深い問題でもある。
絶対速度/相対速度の問題。ゼロポイントの定義。そして光学的観測。
システム全体を俯瞰できない者が、
光学的観測と実験結果をもとに、自らの立つ大地を運動体として捉えること。
この超日常スケールのパラダイムシフトを我々は追体験できないが、
自らの立脚点と視覚を同時に揺さぶられ、
世界の速度と自らの速度がクロスフェードする時、
我々が既成概念として持つシステム(太陽系)は、
感覚的にリアリティを持ち得ないが故に崩壊し得るのではないか。

自分は、それが崩壊するのを見たいし、
その瞬間、地球が「平面」から「球体」に変わったような、
それこそ、アップサイドダウンなインパクトを密かに期待してもいる。

まずは実験。
光学的トレースと空間的トレース。
この2つを同時に光学情報として与えられるとき、我々はどう知覚するのか。
自分の位置をどう定義しようとするだろうか。


by HIRA